副首都は、周辺の都市基盤が重要
高槻市、茨木市、吹田市、豊中市、箕面市。この5市を合わせると人口はおよそ160万人になります。病院は75施設で病床は約1万8千床、大学と大学院の学生は約9万人。私たちが北摂に可能性を感じているのは、公園が広いからではなく、これだけの都市基盤がすでにそろっているからです。
副首都というと立派な庁舎を思い浮かべがちですが、庁舎だけでは動きません。そこで働く人が住む場所、けが人を受け入れる病院、必要な知見を出せる大学と研究機関、人と物を運ぶ交通、食料や燃料を届ける仕組み。周辺の都市全体で支えて、はじめて機能します。
新しい街をゼロからつくる話ではありません。すでにあるものをつなぐ話です。ここが、更地に新都市を建設しようとした1990年代の首都機能移転との、いちばん大きな違いだと考えています。
人口は2026年7月1日の推計人口、病院と病床は2023年の医療施設調査、学生数は2025年の学校基本調査(学部・研究科の所在地ベース)によります。
北摂近隣市には強みがあります
吹田市
万博記念公園があり、大阪大学の吹田キャンパスがあり、千里ニュータウンがあります。北大阪急行で御堂筋線に直通し、モノレールの本線と彩都線が分岐します。このプロジェクトが候補地に挙げる万博記念公園は、この市の中にあります。
高槻市
JR京都線と阪急京都線が並んで走り、大阪と京都のちょうど中間に位置します。人口は北摂5市の中でも大きく、医療と教育の集積があります。同時に、有馬-高槻断層帯が市域を通り、2018年の大阪府北部地震では大きな被害を受けました。備えを語る資格がある街だと思っています。
茨木市
JRと阪急、モノレール本線と彩都線が交わります。大学のキャンパスが立地し、市街地と山側の両方を抱えています。万博記念公園に隣接する市の一つです。
豊中市
大阪国際空港(伊丹空港)を抱え、大阪大学の豊中キャンパスがあります。空港が副首都の近くにあることは、国の要人や支援部隊の移動を考えるうえで大きな意味を持ちます。
箕面市
2024年に北大阪急行が箕面萱野まで延伸し、大阪市中心部と直結しました。大阪大学のキャンパスもあり、住環境の良さで人口が伸びてきた市です。北摂の北の端として、住まいの受け皿になります。
副首都を支える医療インフラ
万博記念公園から直線5キロ内には、大阪大学医学部附属病院と済生会千里病院という二つの災害拠点病院があり、病床は合わせて1,413床です。数だけを見れば、大手前の6病院4,413床には及びません。ただ、中身が違います。
大阪大学医学部附属病院は、2018年の大阪府北部地震のときにDMATの参集拠点本部の一つになりました。実際に災害医療の拠点として動いた実績があるということです。そして咲洲庁舎周辺には、5キロ内に災害拠点病院がありません。
もちろん、平時の病床数がそのまま災害時に使える力になるわけではありません。空床がどれだけあるか、医療スタッフが到着できるか、電源と水が確保できるか。そこまで含めて、はじめて災害対応力になります。周辺の医療機関、大学、研究機関、人材を、電源や給水や協定や訓練と結び付けて、実際に機能させられるかどうか。私たちが検証したいのはそこです。
北摂全体で副首都をサポート
副首都圏としての北摂を、一つの中心と周辺という形では考えていません。中枢施設は一か所に置くとしても、宿泊、備蓄、訓練、研究、医療といった機能は、5市にすでにある施設と分担できるはずです。指令と通信の中枢だけは一つの耐震建物に集約する。それ以外は分ける。そういう組み立て方があると考えています。
この考え方には、副首都のためだけではない意味もあります。5市が防災の面で連携を深めれば、副首都が実現するかどうかにかかわらず、この地域に住む160万人の安全が高まります。構想が実現しなくても残るものがある、というのは、この提案の大事なところだと思っています。
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このページの公開日 2026年9月4日/最終更新 2026年9月4日。新しい資料や数値が確認できた場合は、内容を更新し、更新日を書き換えます。