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政策提案資料と、これからのアーカイブ

政策提案資料「北摂副首都構想」第1版の全16ページを、章ごとに掲載しています。PDFでも読めます。第2版、議会での質問、調べた記事も、このページに足していきます。

政策提案資料「北摂副首都構想」第1版

副首都中枢施設の候補として、大手前・万博記念公園・咲洲庁舎周辺を同じ条件で比較し、万博記念公園を正式な比較対象の一つとして検討することを提案する資料です。2026年9月発行、16ページ。

政策提案資料「北摂副首都構想」第1版の表紙

政策提案 | 2026年9月 第1版 | 16ページ

北摂副首都構想

副首都の中枢機能を大阪のどこに置くのか。その議論はまだ十分ではありません。大手前・万博記念公園・咲洲庁舎周辺を同じ条件で比較することを提案します。

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1. なぜ、この提案をするのか

私たちは、副首都の中枢施設を万博記念公園に整備する案を提案します。ただし、万博記念公園に決めてほしいということではありません。

問題だと考えているのは、副首都という大阪の将来を左右する大きな話にもかかわらず、「非常時にどの業務を担うのか」「何人が働くのか」「何日間、機能を維持するのか」「どれだけの床面積が必要なのか」という議論より先に、既存の行政機能が集まる大手前や咲洲を中心に話が進んでしまうことです。

副首都は、単なる大阪府庁の建替えではありません。東京が大規模災害に見舞われたとき、日本の国家機能を支える拠点です。そうであるなら、現在どこに庁舎があるかではなく、どこなら災害時にも人が集まり、医療や物資を確保し、長期間機能を維持できるのかというところから考えるべきです。

万博記念公園ありきではありません

万博記念公園は、内陸に位置し、広域防災拠点としての機能を持ち、周辺には医療機関、大学、研究機関、住宅地があります。一方で、実際の建設可能面積や交通、法規制、既存の公園利用との両立など、確認しなければならない課題もあります。有利な情報だけを集めて結論を出すのではなく、不利な条件も含めて数字で比較したうえで判断すべきだと考えています。

また、万博記念公園全体約258.8ヘクタールを開発する構想でもありません。公園の緑、文化、市民利用、現在の防災機能を守りながら、必要な規模の施設を配置できるかを検討します。

2. 副首都法で何が決まったのか

副首都をめぐる制度は動き始めています。しかし、法律ができたからといって、大阪府内の具体的な建設場所まで決まったわけではありません。だからこそ今の段階で候補地を比較する必要があると考えています。

副首都の指定は「道府県」単位

2026年7月に成立・公布された副首都法では、副首都は、首都中枢機能の全部または大部分を一定期間代替するとともに、多極分散型経済圏の中核機能を担う道府県とされています。内閣総理大臣が道府県からの申出に基づいて指定し、その申出には道府県議会の議決が必要です。

具体的な建設場所は、まだ決まっていません

法律には、市町村名や具体的な建設敷地、府内での選定基準までは定められていません。副首都の指定後、国の基本方針や副首都整備方針などに基づき、国の機関等の拠点整備が具体化されていく仕組みです。つまり、大阪府内のどこに副首都中枢施設を置くのかは、これから議論されるテーマです。

今だからこそ、場所からではなく役割から考える

現在の庁舎所在地をそのまま出発点にするのではなく、大規模災害時に国家機能をどう継続するのかという副首都本来の役割から立地を考えるべきだと考えます。具体的な敷地が決まっていない今こそ、複数の候補地を同じ条件で比較することができます。

副首都法の目的規定は、大規模災害に備えた国家・社会機能の継続性確保を中心としています。

3. 万博記念公園を緑あふれる都市空間へ

提案するのは、副首都中枢施設を万博記念公園内に整備する案です。北摂には、医療、大学、研究機関、住宅地が集まり、万博記念公園自体にも広域防災拠点としての役割があります。こうした既存の都市基盤と防災機能を組み合わせることで、災害時に国家機能を支える新しい拠点をつくれるのではないか。これが構想の基本的な考え方です。

ここでいう「万博記念公園周辺」とは、病院、大学、研究機関、住宅、鉄道、道路などとの連携圏を指します。施設そのものの建設場所は、公園内を想定しています。

258.8ヘクタールすべてを使うわけではありません

万博記念公園全体の面積は約258.8ヘクタールで、国有地約129.7ヘクタール、府有地約129.0ヘクタールからなります。ただし、この258.8ヘクタールは公園全体の面積であり、直ちに建物を建てられる面積ではありません。

注目しているのは、単に広いということではなく、災害対応空間、既存施設との連携、将来の拡張まで含めて考えられる空間的な余力です。目指したいのは、単に新しい庁舎を建てることではありません。ワシントンD.C.やキャンベラのような都市も参考にしながら、緑の中に政府機能が配置され、防災、研究、文化、市民利用が共存する都市空間をつくることです。

公園の機能を守りながら、具体的な場所を選ぶ

具体的な区画を決めるには、少なくとも次の条件を確認する必要があります。

  • 都市公園法と大阪府条例
  • 国有地・府有地と施設所有の関係
  • 指定管理区域と既存の利用契約
  • 緑、文化資産、景観、市民利用への影響
  • 北部広域防災拠点、物資集積、臨時ヘリポートとの関係
  • 駅前活性化事業、アリーナ、交通整備との重複
  • 接道、地形、地下埋設物、電力・通信・上下水道

4. 他の府内候補地との比較

大手前には行政機能が集積している強みがあります。万博記念公園には内陸、防災、空間的余力という特徴があります。咲洲には既存庁舎や港湾、MICEなどの資産があります。それぞれに強みがあり、同時に課題もあります。だからこそ、最初から一つに絞るのではなく、同じ条件で比較する必要があります。

比較軸大手前万博記念公園咲洲庁舎周辺
現在の機能府庁、府警、国機関が集中北部広域防災拠点、後方支援活動拠点府行政部局、高層庁舎、港湾・MICE
公表・確認できる用地情報検討対象5区画、約4.1haとの情報公園全体約258.8ヘクタール(建設可能面積ではない)。未利用地調査は14区画約8.2ヘクタール咲洲庁舎敷地約2.5ヘクタール。夢洲は別案
半径2キロの人口約18.2万人約10.2万人約2.6万人
半径5キロの人口約126.2万人約71.6万人約12.9万人
5キロ内災害拠点病院6病院、4,413床2病院、1,413床0病院
鉄道事業者Osaka Metro、京阪大阪モノレールOsaka Metro
主な強み行政・医療・人口・交通の即応性内陸、防災、空間、医療・研究・住宅の均衡既存庁舎、港湾、MICE、ホテル
主な課題機能集中、分散区画、建替え、文化財・景観、参集正味建設面積、法規制、既存利用、道路・鉄道停止津波警報時の参集、橋・トンネル依存、近接医療

258.8haは公園全体の面積であり、建設可能面積ではありません。また、各地点で公表されている面積の性質が異なるため、最終的には正味の建設可能面積を同じ条件で確認する必要があります。人口等の数値も、比較地点や集計方法によって変動します。

5. 面積の数字だけで決めてはいけない

大手前約4.1ヘクタール、万博記念公園約258.8ヘクタール。この数字だけを見ると大きな差があります。しかし、この二つを単純に「4.1対258.8」と比べればよいとは考えていません。重要なのは、それぞれの場所で実際にどれだけの面積を使え、必要な機能をどう配置できるかです。

大手前で検討されている用地

合同庁舎の検討対象は、5区画合計約4.1ヘクタールと報じられています。最大区画は約2.3ヘクタールで、残りは複数の区画に分かれているとの情報があります。一方で、区画ごとの詳細については、大阪府の公式原本を公開情報から確認できていない部分があります。

また、大手前は更地ではなく、現在も行政機能が動いています。建替えを行う場合には、工事中の行政機能をどう維持するのか、仮移転や工事動線をどう確保するのかも重要な検討事項になります。

万博記念公園で確認されている未利用地

大阪府は2022年、公園内の未利用地14区画、計82,242平方メートル、約8.2ヘクタールを調査しています。最大の単一区画は約2.0ヘクタールです。ただし、これらの区画には森、法面、接道、高さ、モノレール、既存施設などの制約があります。また、行政中枢施設の建設を前提に選ばれた土地ではないため、2026年現在の利用状況も含めて再確認が必要です。

比べるべきなのは「使える面積」と「将来の余力」

比較したいのは、単純な土地の広さではありません。必要な行政機能を一体的に配置できる正味の建設可能面積がどれだけあるのか。災害時の物資集積や宿泊、将来の拡張にどれだけ余地を残せるのか。そこまで含めて比べるべきです。現時点では、大手前も万博記念公園も、その意味での正味建設面積は確定していません。

6.「どこが安全か」ではなく「どこが機能し続けるか」

副首都中枢施設は、通常時に便利な場所であるだけでは足りません。大規模災害が起きたときに、必要な人が集まり、物資が届き、電気や水が止まっても行政機能を続けられるのか。そこを立地選定の中心に置くべきだと考えています。

大手前

大手前そのものが津波浸水想定区域でないとしても、湾岸部や周辺低地、鉄道、道路、職員の居住地域が被災すれば、職員参集や物資輸送、交代要員の確保に影響する可能性があります。上町断層帯の存在も重要な評価項目ですが、それだけを理由に大手前を否定するのではなく、複数の災害リスクを組み合わせて検証する必要があります。

万博記念公園

内陸にあるため津波の直接影響を受けにくい一方、大阪府北部地震、有馬-高槻断層帯、豪雨、道路閉塞、モノレール停止、停電・断水などのリスクがあります。「北摂だから安全」と言いたいわけではありません。万博記念公園についても、実際に行政機能を継続できるのかを厳しく検証する必要があります。

咲洲庁舎周辺

咲洲については、庁舎単体の耐震性だけではなく、津波警報時に職員が到達できるのか、交代要員や物資を継続して送り込めるのかという点が重要です。大阪府の業務継続計画や過去の検証でも、津波警報時のアクセスと職員参集が課題として扱われています。

本当に比べるべきもの

知りたいのは、建物が浸水するかどうかだけではありません。周辺地域が被災したときに、必要な職員と物資が何時間で到着できるのか。そして、その体制を何日間維持できるのか。三地域をその条件で比較する必要があります。

7. 北摂には、副首都を支える都市基盤がある

副首都は、一つの庁舎だけで成り立つものではありません。そこで働く人、医療、研究、住宅、交通、物資供給など、周辺の都市全体で支える必要があります。万博記念公園に可能性を感じている理由の一つが、北摂にすでに一定の都市基盤が集積していることです。

北摂5市で人口約160万人

2026年7月1日推計人口では、豊中市、吹田市、高槻市、茨木市、箕面市の合計は約160万人です。2023年の医療施設調査では、5市に病院75施設、病床約1万8千床があります。また、2025年の学校基本調査では、学部・研究科の所在地ベースで、大学・大学院の学生が約9万人います。

万博記念公園の近くには二つの災害拠点病院

万博記念公園から直線5キロメートル内には、大阪大学医学部附属病院と済生会千里病院の二つの災害拠点病院があり、病床数は計1,413床です。大阪大学医学部附属病院は、2018年の大阪府北部地震でDMAT参集拠点本部の一つとなりました。

大切なのは、災害時にこの基盤を生かせるか

もちろん、平時の病床数や学生数が、そのまま災害時に使える力になるわけではありません。大切なのは、周辺にある医療機関、大学、研究機関、人材を、電源、給水、協定、訓練などと結び付け、実際の災害対応力として機能させられるかどうかです。

8. 建物より先に、「人が集まれるか」を確かめる

どれだけ強い庁舎を建てても、必要な職員が到着できなければ行政中枢として機能しません。副首都の立地を考えるうえで、職員参集を最も重要な検証項目の一つだと考えています。

大阪府はすでに参集人数を試算しています

大阪府の府庁業務継続計画では、職員の居住地、本人や家族の被災、河川横断などの障害、自転車の移動速度などをもとに、時間別の参集可能人数を試算しています。南海トラフ巨大地震の推計では、大手前では必要人数を確保できる一方、咲洲では初動の司令塔立ち上げ要員に限られるとされています。また、津波警報の発表中は、咲洲庁舎勤務職員も原則として大手前に参集する運用となっています。

ただし、これは大手前と咲洲を対象とした試算であり、万博記念公園を加えた三地域を現在の条件で比較したものではありません。

万博記念公園を加えて、同じ条件で再計算してほしい

少なくとも次の条件をそろえた三地域の比較を求めます。

  • 個人を特定しない町丁目または1キロメッシュの職員居住地
  • 平日昼、平日夜、休日
  • 徒歩、自転車、自動車、鉄道
  • 1時間、3時間、6時間、24時間、72時間
  • 橋、トンネル、河川、浸水、延焼、緊急交通路規制
  • 本人・家族の被災、交代制、1週間常駐、宿泊

現在の公開資料だけでは、三地域の参集人数を確定することはできません。候補地を決める前に、行政が保有する匿名化データを使って比較し、その結果を公表してほしいと考えています。

9. 副首都は「建物をつくれば完成」ではない

災害直後に数時間動くだけでは、副首都とは言えません。政府業務継続計画では、非常時優先業務を1週間にわたり交代制で続けられる人員と執務環境が求められています。副首都中枢施設を考えるのであれば、少なくとも1週間、行政機能を維持できるのかを確認すべきだと考えています。

1週間を支える基盤を比べる

  • 非常用発電の出力、対象負荷、連続運転時間
  • 1週間分の燃料と再補給経路
  • 商用電力の受電系統と変電所の独立性
  • 衛星、無線、有線、携帯回線の多重化
  • 上水、井戸、貯水槽の量
  • 下水停止時の処理と簡易トイレ
  • 食料、飲料水、医薬品、寝具
  • サーバー、空調、エレベーター、厨房の優先順位

万博記念公園には、備蓄倉庫、井戸設備、物資・部隊の受入機能があります。しかし、それだけで「万博記念公園なら1週間自立できる」とは考えていません。必要な容量や燃料、通信、水、宿泊などを具体的に積み上げる必要があります。大手前や咲洲にも既存の設備があります。三地域について、同じ様式で最新の容量と継続時間を比較し、公表することを求めます。

10. 万博記念公園の価値を壊してまでつくるものではない

万博記念公園は、市民に親しまれてきた公園であり、文化、緑、防災など多くの役割を持っています。副首都中枢施設をつくるために、現在の公園の価値を大きく損なうことには賛成しません。そのためには、すでに進んでいる事業や防災機能、市民利用と両立できる場所があるのかを先に確認する必要があります。

大阪府の2026年から2030年の中期アクションプランでは、駅前周辺地区活性化事業とアリーナ等の建設、交通環境整備、スポーツ施設改修、橋梁耐震・補修、井戸設備改修、万博の森づくり、公園用地貸付と未利用地活用の検討といった取組が進められています。

区画を決めるなら、この順番で

  1. 2022年に調査された未利用地14区画の現在の状況を確認する。
  2. アリーナ、交通、改修、森づくりなどの事業区域との重複を確認する。
  3. 物資集積、臨時ヘリポート、部隊受入れなど現在の防災機能を妨げる区域を除く。
  4. 土地所有、都市公園、指定管理、環境、文化資産に関する条件を重ねて確認する。
  5. 指令・通信中枢は一つの耐震建物に集約し、宿泊、備蓄、訓練等は既存施設との分担も検討する。

公園の価値を削って新しい施設を押し込むのではなく、現在の機能を守りながら、防災力をさらに高める配置を考える。それが基本姿勢です。

11. 大手前には、大手前の強みがある

万博記念公園を提案しているからといって、大手前の利点を小さく評価するべきではないと考えています。大手前には、すでに大阪府の行政機能が集まり、周辺に医療機関や人口、交通基盤があるという大きな強みがあります。

大手前の主な強み

  • 府庁、府警、国の出先機関がすでに集中している
  • 直線5キロ内に災害拠点病院6施設、4,413床がある
  • 直線5キロの人口が約126.2万人
  • Osaka Metroと京阪の2事業者を利用できる

そのうえで、確認してほしいこと

  • 5区画約4.1haで必要な機能を確保できるか
  • 複数に分かれた区画を一体的に運用できるか
  • 現在の庁舎機能を維持しながら建替えを進められるか
  • 周辺低地、鉄道、道路、職員居住地が被災した場合でも参集できるか
  • 行政機能の集中そのものが単一障害点にならないか
  • 埋蔵文化財や大阪城周辺の景観への対応を、工程と費用にどう織り込むか

大手前を選ぶのであれば、こうした条件まで含めた工程、費用、行政継続計画を示したうえで選ぶべきです。大手前を否定するのではなく、「なぜ大手前なのか」を他の候補地との比較の中で説明してほしいと考えています。

12. 咲洲にも、既存資産という強みがある

咲洲には、すでに大規模な行政庁舎があり、港湾やMICE、ホテルなど湾岸部ならではの都市機能があります。この既存資産も、副首都を考えるうえで無視できません。

咲洲庁舎周辺の主な強み

  • 延床約14.9万平方メートルの既存高層庁舎
  • 大阪府の行政部局がすでに入居している
  • 港湾、MICE、ホテル、展示施設が集積している
  • 夢洲を含む湾岸部に大規模な開発余地がある

一方で、災害時のアクセスは検証が必要です

  • 津波警報中に職員や交代要員が到達できるか
  • 咲洲への橋、トンネル、鉄道が同時に止まった場合にどう対応するか
  • 庁舎、接続道路、駅ごとの浸水深と通行不能時間
  • 5キロ内に災害拠点病院がない条件をどう補うか
  • 周辺居住人口の少なさを、宿泊・待機要員でどこまで補えるか

夢洲は、咲洲とは分けて考える

夢洲には大規模な用地がありますが、国際観光拠点や記念公園などの開発計画が進んでいます。そのため、咲洲庁舎周辺と夢洲を一括りにせず、それぞれ別の条件を持つ候補として考えるべきだと思います。

13. 先に建物の大きさを決めるべきではない

副首都中枢施設の規模を考えるとき、「何ヘクタール必要か」「どれだけ大きな建物をつくるか」から議論を始めるべきではありません。まず非常時に何を担うのかを決め、その仕事から必要な人員と面積を逆算すべきだと考えています。

過去の首都機能移転とは前提が違います

1990年代の首都機能移転では、人口、住宅、都市機能を含む新都市の建設が想定され、8,500ヘクタールという規模が議論されました。今回想定している非常時の代替拠点とは、目的も必要な規模も異なります。ただし、過去の議論では、移転する業務や人口をもとに必要規模を積み上げていました。その考え方は、今回も参考になります。

三つの規模で試算してみる

  1. 初動の司令塔機能に絞った最小案
  2. 複数機関の非常時優先業務を受け入れる標準案
  3. 長期間の国家代替機能まで担う拡張案

それぞれについて、引き継ぐ業務、業務開始時刻、同時勤務人数、交代人数、継続日数を定めます。そのうえで、執務室、会議室、通信、サーバー、宿泊、食堂、衛生設備、備蓄、発電、燃料、車両、ヘリ、物資集積などを積み上げていけば、初めて必要な面積が見えてきます。

費用も同じです。建設費だけではなく、用地・権利調整、仮移転、文化財調査、インフラ増強、維持管理、更新、訓練まで含めた全期間費用で比べるべきです。

14. この提案の根拠にした資料

できる限り国や大阪府などの一次資料と公的統計に基づいて、この提案を組み立てています。自分たちの構想に都合のよい数字だけを使うのではなく、確認できていないことや、数字だけでは判断できないことも明記します。

主な一次資料

  • 副首都法・審議経過(衆議院、参議院)
  • 大阪府「副首都構想について」および副首都推進本部会議資料
  • 大阪府「万博記念公園事業の大阪府への承継」
  • 大阪府「万博記念公園内未利用地の土地調書・調査結果」
  • 大阪府「万博記念公園の活性化に向けた中期アクションプラン」
  • 大阪府「広域的支援部隊受入計画」
  • 大阪府「大阪府災害等応急対策実施要領」
  • 大阪府「大阪府庁業務継続計画 地震災害編」
  • 内閣府「政府業務継続計画 首都直下地震対策」
  • 厚生労働省「大阪府北部地震における医療対応」
  • 国勢調査500mメッシュ、医療施設調査、学校基本調査

数字を見るときの注意点

  • 半径人口は2020年国勢調査の夜間人口です。
  • 病床数は、災害時に実際に使える空床数を示すものではありません。
  • DMAT参集拠点本部は2018年の大阪府北部地震時の実績で、大阪大学医学部附属病院はその一つです。
  • 大手前5区画の詳細な内訳については、大阪府の公式原本による確認が必要です。
  • 万博記念公園の未利用地14区画については、2026年現在の状況を行政に確認する必要があります。

15. 私たちが国と大阪府に求めること

副首都は、一度整備すれば、長い期間にわたって国家と大阪の危機管理を支える基盤になります。だからこそ、場所を先に決めるのではなく、必要な情報を出し、複数の候補地を同じ条件で比べてから決めてほしいと考えています。そのために次の六つを国と大阪府に求めます。

公開・検証を求める六つの項目

  1. 合同庁舎基本構想検討支援業務の公告、仕様書、入札結果、対象5区画の位置・面積・現況を公開すること。
  2. 万博記念公園の未利用地14区画について、現在の利用状況を公開すること。
  3. 大手前、万博記念公園、咲洲庁舎周辺について、時間別の職員参集人数を匿名化集計で比較すること。
  4. 三地域の電力、通信、水、燃料、備蓄について、継続可能時間を同一様式で比較すること。
  5. 万博記念公園内に行政中枢施設を設ける場合に必要となる法的手続と制約を明らかにすること。
  6. 非常時に引き継ぐ業務、人員、継続日数、必要床面積、全期間費用を公表すること。

私たちが本当に求めていること

「万博記念公園ありき」で結論を出してほしいわけではありません。同じように、「今の府庁があるから大手前」「既存庁舎があるから咲洲」という決め方にもしたくありません。

副首都は、これから50年、100年先の大阪を考える話です。そして、大規模災害が起きたときに日本全体を支える場所を考える話でもあります。それだけに、一度、現在地から離れて考えてみる必要があります。

非常時に何を担うのか。何人が必要なのか。何日間動かすのか。人は本当に集まれるのか。医療や物資は確保できるのか。電気や水が止まっても機能し続けられるのか。その条件を先に決め、大手前、万博記念公園、咲洲庁舎周辺を同じ物差しで比べる。そのうえで、最も強靱で、持続可能で、将来に責任を持てる場所を選ぶ。

その正式な比較対象の一つとして、万博記念公園を検討することを提案します。

これから増える資料

このページは、資料の置き場としても使います。第1版のあとに出るものを、ここに足していきます。

  • 政策提案資料 第2版。第1版で「確認できていない」と書いた項目を、行政への確認や情報公開請求で埋めたうえで出す予定です。
  • 議会での一般質問と答弁。副首都に関する質疑を、記録として置きます。
  • 記事とレポート。候補地や防災、交通について調べたことを、その都度まとめます。

新しい資料や数値が確認できた場合は、このサイト上で訂正と更新の履歴を公開します。第1版の奥付:発行 大阪副首都プロジェクト/代表 小森禎之/2026年9月発行

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このページの公開日 2026年9月4日/最終更新 2026年9月4日。